第10回天描絵画展 回顧展3
初出展作に描く “こころのかたち”
それでは初出展作品をご紹介します。
この福岡展でぜひ展示したかった天描の華ばかりです。
自然とはなんと不思議なものなのか・・・
この疑問に、今も多くの科学者が挑み続けています。
見果てぬ夢の結びはネバーエンディングストーリ―。
自然に学び知るものとは、やはり「こころ」でしょうか。
いま、同じ思いをもつ指先を通して
小さなちいさな点が集合する宇宙が広がるように
一本の幹から薄紫の花房が、満点の星空を描いています。
この時代に残したいものがあります。
「天描画」の求める姿は「こころのかたち」です。
本展のテーマ作品でもあり
芳名帳に記入いただいた方にお礼状として後日送らせていただきました。
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長く蔓を伸ばし夏に小さな花を咲かせ
秋口からは色とりどりの実をつけるのですが
その色は様々に変化し、野趣の風情を見せてくれます。
人もまた、同じ人格や性格はなく一人ひとりに違いがあります。
だからこそ面白いのですが、近年はどうもそれでは生きにくいようです。
目立ちたいのに目立たない、折角の個性を隠さなければ
生きていけないと思っている風潮が見られます。
違うのです。人もそれぞれが違って当たり前ですから
自分を他の人にどう伝えるのか、どう表現するのか
この「野葡萄」のように成長してほしいものです。
これも「こころのかたち」といえましょうか・・・。
◎この作品は、初出展作ですが買上げ作品となりました。
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藍物語
古くより染色文化の中心的役割を担ってきた
藍染めの顔料「本藍」と出会い、この天描画を描くことに・・・。
染色同様、色の深みの浅深は、重ねる回数によって幾重にも。
桔梗草、苧環、小紫と野の草に思いを重ねて
小さな寸松庵の額に収めました。
ふたたび始まる「藍物語」の見果てぬ夢も
天描の華として咲く「こころのかたち」に重なります。
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人にも夢や志があるように、花にもきっとある。
そう感じた花とめぐり会ったのは夏から秋への頃。
描く顔料は、染料として馴染み深いインディゴブルーと呼ばれる
「本藍」ともこの年に出会います。
藍をはじめとする染料の本旨は「ふたたび生きる」
もう一度「新しいいのちを生きる」ことでしょうか。
花もまた同じ、「いのちを繋ぐ」ことに生きる意味を見つけた
「花の志」をこの青に見た思いがします。
天描の華と同じ思いをもつこの藍を残したくなりました。
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今回の初出展作では、新しい試みもありました。
初めての天描絵画との出会いの中で
ほんの少しでもご理解いただければの願いをこめて
描いた華でした。
さて、回を重ねても同じ光景がこの展にはあります。
ひとつの作品にじっくり向き合う来場者の姿がより多く見られたことも
決して偶然ではありません。
明日11月11日と明後日12日はお休みさせていただきます。
引き続き、回顧展4もお楽しみに。
< つづく >
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【初出展作ポストカードプレゼント】
第10回展を記念して、ご希望の方に
初出展作ポストカード7点セットをお礼状とともに進呈いたします。
◆締め切り/11月15日(日)
ご希望の方は◆こちら◆へどうぞ。
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2009年4月3日の発刊以来
清風堂書店はじめ個展会場、そしてこのページからも
たくさんのみなさまのお手元ににお届けできました。
こころより感謝申し上げます。
まだ出会いのないみなさまもぜひ
一度手にとってごらんください。
◆画集【天描の世界】は、2009年4月3日より発売中。
◎定価3,000円(税込)A4判変型/本文64ページ(全26作品収録)/上製本
ISBN978-4-88313-531-8
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大阪梅田の◆清風堂書店◆で発売されていますので
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