【第8回 天描の世界 みちのく展】 回顧展その3
“春は 来る”
まずは、本展の案内状やポスターに使用した作品を
もう一度ごらんくだい。
この花の色は、春の訪れを告げるにふさわしい。
北国では雪の下から顔を出しますが
今年も変わらぬ風景があったはずです。
そして、来年も・・・。
変わらぬ穏やかな暮らしこそが幸せの証。
そんな日々が、いつの日か戻ることを信じて
いのちの輝きを伝えたいと願いながら
いま、幸せの黄金色を描きます。
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それでは初出展作4作品をご紹介します。
この祈念展でぜひ展示したかった天描の華ばかりです。
2011年11月、88年の生涯を閉じ
2012年4月―母は永遠の都で眠りにつきました。
その地のほど近くに群れ咲く薄紫の花は
陽ざしをいっぱいにうけると
まるで、いま飛び立つ鳥が
その翼を羽ばたかせているようです。
可憐な花ほど過酷な中に生きるといわれますが
愛するひとに映してこの華を描き残します。
あたたかな春の野に咲くホトケノザ。
不思議な花のかたちでありながらも
どれ一つ同じものはありません。
その花々が一斉に群れ咲く姿に
懸命に生きる人々を映して
人の世のにぎわいの日々が思い浮かびます。
あの頃の想い出はこころの中におさめて
未来の日々に想いを馳せたいと思います。
いまを懸命に生きる姿は美しいものですが
あとに続く蕾にも明日への希望があるはずです。
この花に出会い、こう感じました―
いま咲く花は父母であり、明日咲く花は子のように
ひとの世のあり様を見た想いがしたものです。
深い縁で結ばれたかけがえのないひとを
ただひたすら愛してほしいと願います。
◎芳名帳に記入いただいた方にお礼状としてお持ち帰りいただきました。
2010年10月―那須の湿原。
ここではもう、あの春と夏の色は消え失せて
深山辺(みやまべ)の静けさの中で鳥と風の音だけが踊ります。
この時出会ったしなやかに揺れる一本の木には
濃いピンク色の実が残されていました。
あれから2年、不思議と頭の片隅から離れなかったこの華を
2011年を経て、ようやく描ける時がきたようです。
《真弓》という名の木ではなく、自然とともに生きる
ひとという名の暮らしのたまゆらを・・・。
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今回初めて出展の小作品は3点です。
この3作に託した想いは、“夢や希望をもって堂々と生きること”
きっと愛するひとに届くはずです。
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天描の華を描きはじめて約6年の歳月が流れ
本展まで58作品(小作品を除く)が誕生しましたが
まだまだ私の役割は終わりそうにはありません。
あと一つ、もうひとつ・・・と
さて、回を重ねても同じ光景がこの展にはあります。
ひとつの作品にじっくり向き合う来場者の姿が印象的でした。
そして、こんなお話も・・・
回顧展4をごらんください。
< つづく >
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【初出展作ポストカードプレゼント】
第8回展を記念して、ご希望の方に
初出展作ポストカード4点セットをお礼状とともに進呈いたします。
◆締め切り/10月7日(日)
ご希望の方は◆こちら◆へどうぞ。
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2009年4月3日の発刊以来
清風堂書店はじめ個展会場、そしてこのページからも
たくさんのみなさまのお手元ににお届けできました。
こころより感謝申し上げます。
まだ出会いのないみなさまもぜひ
一度手にとってごらんください。
◆画集【天描の世界】は、2009年4月3日より発売中。
ISBN978-4-88313-531-8
お求めは、個展会場はじめ
大阪梅田の◆清風堂書店◆で発売されていますので
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by tenbyou-world
| 2012-10-05 20:17
| 第8回 天描の世界 みちのく展