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天描の世界

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大地に根ざす四季折々の花々や草木に姿を借りて、点だけで描く「こころのかたち」を天描画と呼びます。

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想いあつめて
2006年7月制作

『萼紫陽花(がくあじさい)』完成作品です。
『点描の華』第3作目、この画の副題は『想いあつめて』と名づけました。

落款が入ったことで、この章からの主題は『天描の華』としてごらんいただきます。
「点は天に通じ世界をつくる」という意味で、まさに『天描の世界』―ここに私の志をこめて描きたい。ひとえにそう願いつつ・・・。

花は蕾をつけ、開花し、そして散っていく・・・その時々を見せてくれますが、私たちの目には、はたしてどの瞬間が残っているのでしょうか。おそらく、人によって「美しい」と感じる時は違うはずですが、それぞれの想いの中で瞬間を切り取ってみるのも面白いものです。
その格好の花がこの『萼紫陽花』だったのですが、予想通りなかなか描き甲斐のある素材であったことは確かです。

※画像をクリックすると拡大画像がごらんいただけます。


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by tenbyou-world | 2006-08-24 12:21 | 天描の華
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第4章 落款(らっかん)について

『点描画』は、どこから描き始めどこで終えるか。ひとつの作品の完成は、見極めが難しいものですが、必ずといっていいほど起点に戻っているように思えます。浅く深くを繰り返します。そして完成が近づいてくると、それまで無心で打ち続けるペン先の力がふ~っと抜けていくような感触が走ります。あまりに抽象的で申し訳ないのですが、これが実感です。
画の完成は、落款印を押すことには違いないのですが、これはあくまで形式にすぎないと考えています。
さて、この章はその「落款」について。
正式には、姓名印ともいわれる「白文印」、雅号印と呼ばれる「朱文印」、そして引首印といわれる「関防印」を含めて「三顆対印(さんかついいん)」が使用されます。
ほかにも、遊印や蔵書印など用途に合わせて使い分けされますが、趣味の篆刻といわれるように書体や彫り方も多種多様。ここでは、既製印は使いません。なぜなら、作者を限定するためのものですから、人と同じでは困るわけです。

『点描の華』専用の印が出来上がってきました。「朱文印」と「関防印」の2種類ですが、書体は主題に合わせて「篆書体」を選びました。落款の役割を考えてみれば、決して浮き上がるものであってはいけません。あくまでも主題となる画を生かすバランスを第一義に作りたいものです。もちろん、その印影だけではなく、捺す位置もバランスが優先します。一般に、画の起点にあたる「関防印」は右上の余白に、「朱文印」は左下に止めます。

これは余談ですが、もうひとつの「白文印」を使う場合は、「朱文印」の上に並べて捺します。ただ、普通の色紙(3号)では控えた方がいいでしょう。また、もっと小さな用紙なら、「朱文印」だけで十分です。落款のサイズも同様、用紙のサイズに合わせたバランスも忘れずに・・・。


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by tenbyou-world | 2006-08-20 07:57 | 天描の世界
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第3章 素描(デッサン)について

先日、久しぶりに古本屋で1冊の画集に目がとまりました。
『南風素描』・・・日本画家・堅山南風の花鳥着彩素描画集、豪華装丁本ですが、内容はいたって素直な作風が詰まっています。
今、『点描の華』を描く上で「基本の大切さ」を忘れないための参考書になれば、との思いで買い求めました。決して高い買い物ではないでしょう。

実は、この章では「描き方」についてを章題に書こうと考えていたのですが、この本に出会ったこともあって、この章では『点描画』を描くプロセスの中で最も大切なこと「素描(デッサン)」についてお話しすることにしました。

描くことを楽しみたいと思うなら、今すぐにでも始められます。ただ点を重ねていけばいいだけですから・・・。でも思うようには描けないかもしれません。
例えば、抽象画が好きだからという理由で、本来丸い形のものを四角に描く。これでは、確かな四角は描けません。デッサンは、どんな絵を描く上でも基本です。デッサンとは、「描写力」ではなく「観察力」です。ですから、「観察力」の優れた方は描くことには苦にならないはずです。

「描き方」について少し触れておきます。
おそらく人それぞれで「こうでなければならない」という約束事はなにもないと理解しています。それだけに、決して「楽しい」と思ったことはないのですが「面白い」。『点描画』の魅力を聞かれると、いつもこう答えることにしています。
「ただ点を重ねていくだけ」といいましたが、その人にどんな基盤があるかによってその理解度も異なるはずです。
そのことを前提に、例えば「色の作り方」や「色の重ね方」についてなど・・・の具体的なお話も、ここでするつもりはありません。
何事もはじめてみれば疑問がおこります。その疑問をどう解決していくかということが面白いのです。自問自答、試行錯誤しながら自身で学んでいく―『自分の世界をつくる』ということです。
伝えたかったのはこのことです。


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by tenbyou-world | 2006-08-16 06:40 | 天描の世界
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1973年習作(部分)

初期の作品履歴として年代順にこのギャラリーで紹介します。

『点描画』を描きはじめたのは、この作品を描く前年、ちょうど20歳頃だったでしょうか。
まだ描き始めのあくまでも習作のひとつですが、いま見直して見てもなかなか新鮮です。
ある団体のコンクールに出品して優秀賞を受賞した作品で、残念ながら原画は残っていません。
そのため作品集から複写したもので、幾分鮮明さには欠けています。
当時は、ブラックインクのみの使用にこだわっていたのですが、そのことが基本の習熟につながったといえなくもありません。なつかしい想い出がよみがえってきます。

習作とはいえ、ネットでの全体を紹介することは知的所有権等に抵触する可能性があるため控えることとし、部分公開としました。


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by tenbyou-world | 2006-08-14 10:42 | 点描画ギャラリー
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ふたたびの春
2006年5月制作

『花水木(はなみずき)』誰が名づけたのでしょうか、いい名前です。
この花は、桜が散った後の季節を彩ります。
『点描の華』第2作目には、『ふたたびの春』を描きました。

ご存知でしょうか?ワシントン・ポトマックの桜と花水木とは日米・花の交歓を証明するものだということを。明治45年、東京市から米国に桜の苗木3000本を贈ったのに対し、その返礼として大正4年から7年までの間に3回、北米特産の花水木の白花、紅花の両種とカルミヤの苗が東京市に贈られてきました。別名は、「アメリカ山法師(やまぼうし)」と呼ばれていますが、日本に根付いた「友好の花」。二度とその「こころ」が途切れることのないように・・・願ってやみません。


『点描の華』シリーズ制作にあわせて、限定の落款、関防印を準備中です。

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by tenbyou-world | 2006-08-05 07:38 | 天描の華
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第2章 モチーフ(主題、題材)について

『点描画』を描く道具に、なぜ丸ペン、カラーインク、鳥の子色紙を選んだのか?
それは、「モチーフを表現するためにこれ以上ないもの」に他なりません。もちろん、「描きたいものは何なのか」も大切なのですが、それ以上に大切なもの・・・それは、「何を伝えたいのか」です。それを伝えるための道具が、これらであったのです。

私たちは今、21世紀という時代に生きています。(その時代がどうなのかはあえて書きません)その時代の裏側にある、そして人間にとって最も大切なもの―「美しいもの」「奇麗なもの」「優しいもの」「あたたかいもの」を描きたい。そんな思いを満たしてくれる題材が『花』だったのです。

モチーフ選びの重要性は、どうやらここにありそうですが、その『花』を点描で生涯描き続けなければならない。今はそんな時代なのです。
そして、いつか「花」が『華』になることを願って・・・


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by tenbyou-world | 2006-08-01 22:10 | 天描の世界